パーキンソンの法則と人間の強欲
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人間とはいかに弱く、そしていかに強欲かを表した素晴らしい法則があります。
それが「パーキンソンの法則」というものです。
英国の歴史学者シリル・ノースコート・パーキンソンが提唱した法則ですが、今日はこちらのご紹介をしましょう。
二つの法則
ひとつずつご紹介しましょう。
第一法則「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」
どういう意味かというと、ある仕事をやるために用意された時間はいくら余裕があっても必ず締め切りギリギリになるという意味です。
自分にとってストレスの多い仕事…つまり、苦手なことですね。また、アイデアが浮かばないなどの知的生産性の高い仕事はどうしても「まあ、まだ時間があるから明日にするか。」と先延ばしにしがちだということです。
ズルズルと締め切りまで仕事を先延ばしにして結局締め切り間近になって慌ててやるようになる…
子供のころにも夏休みの宿題を毎日少しずつやろうと思ってはいるが、結局夏休みの最後に慌ててやる…これと同じです。
切羽詰まるまで、楽な方、楽な方に身を委ねてしまう人間の弱さを表しています。
続いて次の法則を。
第二法則「支出の額は、収入の額に達するまで膨張する」
こちらも同じような法則です。
人間は「あればある分使ってしまう」という意味です。収入が10万あれば10万使ってしまう…どうしても無駄遣いしてしまうという気持ちです。
これは他のことにも言えます。例えば「食べ過ぎてしまう」という人、これは食べ物があるから食べてしまうわけです。
そもそも食べるものがなければ食べられないのですから。
この2つの法則からわかることは「人間は弱く、そして強欲である」ということです。
ストレスになることはなるべく先延ばしにし、あればある分だけ使う…それが人間なのです。
では、この弱さを克服するためにはどうすればいいか?
これは「本当のリミットよりも手前にリミットを設ける」ということです。
仕事の場合はやらなければならない期限よりも前に自分で期限を決める。食事の場合なら、お腹いっぱいの量の料理を準備するのではなく腹八分目の料理をテーブルには出すなど。
これにはちょっとした心理的ハードルがあります。
本当の期日はまだ先なので、面倒だと感じるとまた先延ばしにしてしまう可能性があるのです。
また食べたい気持ちを抑えることも必要です。
約束やぶると針千本!
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自分で決めたリミットはつまり「自分との約束」です。
昔、みんな習いましたね…「嘘ついたら針千本飲ま〜す!」っていうあれです。
弱い自分から変わるためにも自分との約束を守る!守れなかったらそれなりの罰を受けるという覚悟です。
とはいえ本当に針千本飲むわけにはいきません。
例えば「約束を守れなかったらこのお菓子は食べない!」「木曜日までにこの仕事を終えられなかったら週末のビールはなし」といった形でもいいでしょう。
人間は弱く、強欲かもしれませんが学び、自制することができる生き物でもあります。
パーキンソンの法則はそんなことを改めて考えさせてくれるものです。