PDCAの実行精度を上げるために、重要だけど意外とみんなできていない「L」
業務の改善サイクルを回すという意味でよく使われているのが「PDCA」というものです。
PDCAサイクルを回すことの重要性については多くのビジネスマンが頭では理解していると思いますが、意外と上手くできないというのが実情です。
それにはPDCAにない「L」の概念が重要だということに、私はたどり着きました。
PもCもこれがなければ成り立たない!
PDCAについてはこちらの本が非常にわかりやすく解説してあります。
この本では「PDCAにおいて、P:つまりPlan(計画)こそが成否を決める重要な要素になる」と書いてあります。
確かに計画自体があいまいであり、方向性が定まっていないものだとしたら、いくら行動の改善項目を上げてPDCAサイクルを回してもいっこうにゴールに向かっていかないことでしょう。
7つの習慣でいえば第2の習慣で説明してある「目的地と違う地図を持って目的地を目指す」という行為というわけです。
計画が重要だということはわかると思います。
ただ、計画をどのように立てればよいか?という点が問題になります。
例えば旅の計画を立てるためにはどうしましょうか?
まずは行きたい地域を選び、旅行雑誌・旅行サイトなどの比較検討できる参照データを集めます。その上で家族で希望を出しあい、予算を決めて旅行の目的地を決めます。
ここで気付かれたでしょうか?「旅行雑誌・旅行サイトなどの参照データ」というものです。
これは旅行の場合はこういった情報が溢れているため、簡単に参照データを集めることができますが、仕事においてプロジェクトの計画を立てるという場合には良い情報を収集することができない場合もあります。
また今後のタイムスケジュールを立てる上でも計画段階でのマイルストーン設定などが非常に重要になるため、旅行雑誌があれば「ここからここまでの移動時間はおおよそこれくらいか」と予測が立てられますが、情報の少ないプロジェクト運営などでは次回予測が難しくなるのです。
そうなるとなにが頼りになるか?ということですが、「普段からの自分の行動記録」というものが活きてきます。
普段自分が実行している業務についてのログを取っておくと、初めてやる行動においても「仮説による概算時間」の算出に大きな役立ちとなりえます。何もわからずになんとなく立てたタイムスケジュールよりも、過去の自分の行動を踏まえた概算スケジュールのほうが精度は高くなるのです。
こうして立てた計画を次のDo:行動に移していくのですが、こちらでも重要なのが「記録」です。
行動記録をしっかりと残しておくことであとのC:検証において大きな意味をもちます。
Cを実行するにあたり、何がどう問題だったのか?という点がわからないと改善のアクションにはつながりません。
「なんとなく終わってみたらイマイチだった…何が悪いのかはわからないけど計画通りにやったのだからとりあえず続けよう…」
これでは何もならないのです。
Log(ログ)、つまり記録をしっかりと取っておくことがPとCにおいて大きな判断要素として役立つことになるのです。
全部にLが重要なのでL(PDCA)!
上記の通りLogがどのセクションにおいても重要な役割を担うことがおわかりでしょう。
なので一般的なPDCAではなく、どのセクションにもかかるという意味でL(PDCA)と表記するとわかりやすいと考えます(ちなみに私が勝手に作り出したものですが…)
行動を記録し、週次レビューやプロジェクトの各マイルストーンごとの棚卸しのタイミングに記録を見直すことで予想以上に時間がかかっていたことなどが明確になり、なぜその行動に時間がかかってしまっていたのか?どうすれば今後は時間をかけずにすむのか?といった記録を基にしたPDCAができあがるのです。
そう意味でもタスクシュート方式でのタスク管理は非常に有効な手段だと言えるでしょう。