営業未経験の僕がExcel VBAと出会って業務効率が劇的に改善したという物語
もう7~8年前のお話になります。僕がまだ今の会社に入社したばかりのころ、営業職の僕はたくさんのお客さんへの営業活動の管理に頭を悩ませていました。
話したことや前回ご連絡させていただいた日などを記録し、わかるようにしておくにはデータベースのようなものがあればいいなぁと感じていたのですが、僕が先輩からいただいたのは顧客の最低限の情報が入ったExcelの一覧表だけでした。
なんとかしたいな…そんな時に出会ったのがExcel VBAでした。
この本との出会いは劇的だった!
Excelは数式などを駆使して表を作ったりすること自体は全く問題なくできていました。
マクロというものの存在も知っていましたがなんだかハードルが高そうなイメージしかなく、特に勉強するつもりもありませんでした。
そんなとき、たまたま書店をぶらぶらしていたら目に飛び込んできたのがこちらの本でした。
「Excel計算表の帳票入力・転記で楽する」というタイトルではなく、その下の「入力用のダイアログボックスを作ろう」というワードが目に飛び込んで来ました。
書店で実際に手にとって中をパラパラとめくっていくと…普段使っているExcelファイルにダイアログボックスを通してデータを入力する、またダイアログボックスでデータの確認をすることができるということがわかり、「これなら…データベース作れそう!」と感じ、即購入しました。
僕はそれまでプログラムなんて書いたこと一度もありません。文系でしたし、コンピューターには詳しい方ですが、プログラミングは全くの素人です。
最初は本の通りにひとつずつ手探りでExcel VBAに取り組んでいきました。そして「この機能を今使っているExcelの顧客台帳に入れ込んだら…」などと発想を膨らませては付箋を付けて後から見返してもわかるようにしていきました。
一旦この本にあるサンプルファイルを実際に作り上げて、そこから今使っている顧客台帳のデータベース化・VBA化に着手しました。
正直まったくわからないながらもよくやったな…と思います。根本的にこういう作業が好きだったからできたのかもしれませんが…
僕が求めているデータベースの形がこの本一冊で全てまかなえたわけではありません。都度わからないことはネットで調べながら、もしくはアプローチ方法を変えながら解決策を探していきました。
こうして本を購入して約3ヶ月で僕はそれまでのExcelの顧客リストを「顧客データベース」へと作り変えたのです。 実際のデータベースがこちらです。 一覧表はこんな感じです。これだととても見づらいですよね。なので顧客名(モザイクかけてますが一番左列です)をダブルクリックするとダイアログボックスが出てくるようにしました。 こんな感じに。ダイアログボックスのボタンを押すことで次のデータを読み込むようにしています。 たくさんあるデータから必要な情報を検索できるように検索フォームも作っていましたので顧客情報を見失うこともありません。
このデータベースができたあがって僕が一番強く感じたのが「わかっているということの安心感」というものです。
お客さんと話したことをしっかりと記録しておけば、次にそのお客さんとお話するときにとても役立ちます。
「そういえば先日おっしゃっていた○○という件ですが…」という感じに。
お客さんとしても「あっ!この人ちゃんと覚えてくれている」という安心感を持ってくれるのではないでしょうか?
またいつ連絡したのか?が記録できていることで「このお客さんは最近ご連絡してなかったな…」ということもわかるようになります。
これによりお客さんを寂しい思いをさせる心配もなくなります。「以前はよく声をかけてくれていたのに…」なんて言葉はやっぱり営業マンとしては聞きたくないですよね。
データベースは営業の効率を間違いなく押し上げる!
データベースならAccessを使えば…と思われると思いますが、会社から支給されたパソコンにはWordとExcelしか入っていなかったので僕はExcel VBAというものでデータベースを構築しました。
現在は僕が作ったデータベースよりももっとしっかりとしたデータベースを会社が導入してくれたおかげでこの「Excel顧客データベース」はお役目御免となりましたが、入社当初の僕の営業を支えてくれた大切なツールとして今も(使ってはないですが)大切に保存しています。
Excel VBAを学んだことによりその後、他の業務上のファイルにもVBAの機能を盛り込むことで作業効率アップにも貢献できています。
Salesforceやサイボウズなどのデータベースツールを会社で導入するとするとやはりコストも大きくかかってしまうと思います。
データベースが必要だと感じていてもなかなか会社が動いてくれないという人は一度「自分で作る」ということを考えてみてもいいかもしれません。
だいたい日本のビジネスマンのパソコンには入っているだろうExcel VBAを使ったデータベース作成。難易度は高めですが、チャレンジする価値はあるとおもいます!