僕が二十歳の時に先輩に教えていただいた「鉄板」の話
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二十歳で社会人になり、もう社会人も15年が経ちました。塾講師から始まり、その後広告代理店での営業職、そして今はまかりなりにもマネジメントにも携わらせていただいています。
そんな僕ですが、二十歳のころに先輩に教えていただいたとてもありがたい「鉄板の話」について今日は書いてみましょう!
ある飲み会の席でのこと
僕が二十歳の、また社会人1年目のころの話です。
それまでバンド活動をしていて、あんまり就職するという意識がなかったのですが、家庭の事情により縁あって塾講師という仕事に就くことができました。
しかし、そのころの僕はというと反骨的で、「なんで会社のいう通りにしないといけないのか?」と常に反抗的な態度を取っていたのです。
自分としては「やることやってんだからそれ以外のことでとやかく言われる筋合いはない!」という思いでした。
ある日、社長に呼ばれてある鉄板焼き屋に行きました。そこでは僕だけでなく、その他の先輩も何人かが同じように呼ばれて社長と飲んでいました。
「どうせ、また何か文句言われるのか…」とふてぶてしい態度でいた僕に、それまで一度も怒ったことがなかった先輩が「ちょっとこっちこい!」と語気強めに僕を別のテーブルに連れて行きました。
僕は予想外の展開でキョトンとしました。
その先輩は自分はむかし、商品の卸売業をしていたが辞め、そして縁あって今ここで働かせてもらっているという話をしてくれました。
そして、目の前にある鉄板を使って「会社に勤めるということは…」と話始めました。
いいか、会社に勤めるってことは、この鉄板の上みたいなものなんだよ。君は会社という鉄板のこの一部を任せられている。
そして会社からは「ここで焼き物をしてほしい!」と指示がでている。何故か?それは会社は鉄板焼きでいうところの鉄板だから鉄板で作れるものしか指示をしない。
だけど君が言っていることを聞いていると「揚げ物がやりたい!」と言っているようなものだ!鉄板を提供している会社で揚げ物なんてできないし、仮にやれるとしたらそれには設備投資が必要だ…君にその設備投資をしてもいいと思うほどの説得力が今あるのか?
そんなに揚げ物がしたいんなら自分で会社を作るべきだ。そうできないならまずは「焼き物を徹底的に極める」といったことをしてからでないと君の意見には誰も耳を傾けてはくれないぞ!
僕は自分がいかに子供で、勝手なことを言っているのかを改めて指摘され、恥ずかしくなりました。
与えられたものすらも出来ていない、二十歳そこらの僕が会社の方針に不満を言うなんてもってのほかだと感じたのです。
不満を言ってはいけないということではなく!
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この考え方は現在も僕にとってはとても大切なものです。
ただ、この話を見て「つまり会社の不満を言うなということ?」と思った方もいるかもしれませんが、そうではありません。
鉄板という焼き物ができるステージを用意してくれているという現状に感謝をした上で、まずは「鉄板でできること」について全力で考えるというスタンスが大切なのです。
鉄板でできないことについての不満が大きな人は是非一度「鉄板でやっていたこと」を振り返り、そして素直な気持ちで取り組み直すといいでしょう。