誰にでも平等に訪れる「慣れ」という名の悪魔
人という生き物は「慣れる」生き物です。
最初は右も左もわからない状態から少しずつ理解し、上手になってくると慣れてきて、それまで本気でやっていたことにもいつの間にやら手を抜くようになってしまいます。
そんな「慣れ」の恐ろしさについて書いていきます。
誰もが慣れる
どんな厳しい状況であっても、どんな難しいことであっても、人は慣れます。ほぼ間違いなくそうです。
「いや、なかなか慣れないものもある」という声も聞くことがありますが、それは「慣れるまでの時間がかかっている」だけで、慣れないわけではありません。
慣れることができるといっても、慣れるまでの時間がかかるものがあるのは事実です。
そして慣れる前にやめてしまうこともあるので「結局慣れることができなかったな…」という体験が生まれるだけです。
さて、かくして慣れてしまうとどうなるか?ということです。
慣れるまでは誰しもが「慎重に」「丁寧に」取り組んでいくものです。マニュアルがあればマニュアルをみながら、そうでなければ先輩の指示を仰ぎながらやる。
でも慣れてくるとどうなるか?
大体の人が「手を抜く」ようになります。手を抜いているつもりはなくても、抜いています。間違いなく丁寧ではなくなりますし、慎重でもなくなります。
マニュアルがあることでも、最初はマニュアル通りにやっていたとしてもいつの間にかマニュアルの手順ではない方法でやり始めたり、マニュアルに書いてある手順を飛ばしたりしてやるようになります。
…そしてミスや事故が起こります。
だいたいのミスや事故というものは「慣れてきたとき」に起こるものです。
決められていたことを決められていた通りにしなかったがゆえにミスが起こる。「なぜそうしなかったのか?」と確認すると「いつもこうやっていたので…」とこれまではたまたまミスがなかっただけである「自己流のやり方」をやってきたというケースが多いのです。
慣れとは誰にでも襲い掛かってくる恐ろしい魔物
人間の慣れという能力はこれは非常に有効で力強い能力のひとつです。
これがあることでいつもの業務が徐々に効率的になり、作業効率が上がっていくことができるんです。
ですが、これによって多くのミスや事故が発生する原因にもなります。
誰もに訪れる慣れという魔物。
慣れてくることには対抗はしようがありませんが、定期的に自分のやり方が本当にそれでいいのか?と自問するタイミングはもっておきたいですね。特にみんなで同じことをやっているなら、人のやり方を確認するなどしておくといいでしょう。
もうすぐ4月。各所で新入社員が入社していくるタイミング。
もっとも丁寧で慎重に作業している新入社員をお手本にするのが一番ですね!