ベストプレイヤーがマネージャーに…自分がいつまでもベストプレイヤーだと思っていると部下も自分も育たないという事実
中小企業でのマネージャーというのはマネジメントだけに時間を割くことができない、いわゆる「プレイングマネージャー」という状況であることが多いと思います。
また会社方針から純粋なマネージャーではなく、プレイングマネージャーを置くようにしているというところもあるでしょう。
プレイングマネージャーが取りまとめるチームにおいて、プレイングマネージャー自身が気をつけておかなければならないことはなんでしょうか?
プレイヤーとマネージャーの割合
プレイングマネージャーとして業務に携わっている方、あなたの「プレイヤーとマネージャーの割合」はどうでしょうか?
5:5?6:4?3:7?
割合はいろいろあると思います。
ここで重要なのは割合ではありません。あなたは「100%のプレイヤーではない」ということです。このことをしっかりと理解していないと「自分が一番のプレイヤーである」という思い込みが起こってしまいます。
日本の多くの企業がプレイヤー時代に優秀な成績を上げることができたのでマネージャーへと昇格するというのが流れです。
ただ「名選手、名監督ならず」という言葉もあるように、ベストプレイヤーがペストマネージャーになり得るかどうかはわかりません。
ですが、マネージャーに任命されたからには一生懸命にその業務を全うしようとする…日本人はマジメなのでそういう行動をしていくはずです。この時に自身のプレイヤー時代のスキルや成果をベースにしたアドバイスに偏り過ぎると…実情と乖離したアドバイスになる可能性があるのです。
なぜ、そんなことになるのでしょうか?
それは最初に上げた「100%のプレイヤーではない」ということが要因なのです。
100%のプレイヤーであるメンバーからの相談、マネージャーになったばかりのころはまだあなたのほうがスキルが高いでしょう。しかし、2年・3年と時間が経てば100%プレイヤーのほうがより実情に晒されている時間が長いため、スキルも当時ほど差がなくなってきているはずです…もしかしたらあなたよりもスキルがあるのかもしれません。
ですが、基本的に日本社会では「上司のアドバイスは『仮に不満があっても』受け止める」というのが一般的です。受け入れてくれている…そしてアドバイス通りに動くことで成果につながったら…「ほら!やっぱり俺のアドバイスは間違っていない」と感じるはずです。
本当はアドバイスを受けた部下が自分なりに工夫して対応した結果かもしれません…アドバイスを「聞いた」けど「使った」とは報告がないのにマネージャーが自分の成果のように誤解しているケースがあるのです。
またプレイヤー要素が強すぎるマネージャーは「今の事象」にしか目が行かず、中長期的に解決すべき問題が見えなくなる、または見えているが優先度を見誤ってしまうということになるのです。
マネージャーに求められていることは?
マネージャーに求められていることは、もちろん売上を上げるということでもあり、チームメンバーの成長支援をするということでもあるというのは言うまでもなくわかっているとは思います。
しかし、自身がプレイヤーとしての立場が強すぎると結果的にプレイヤーを育てる作業になってしまいます。 会社としては「時期のマネージャー候補」に育ってくれたほうが中長期的な企業戦略としてはありがたいのです。
プレイヤーとしての時間の中でいかにマネージャーとしての業務経験を積ませてあがることができるか?
そういう視点を持つためには自身がプレイヤーとしての時間を短くしていくことが大切です。
マネージャーはマネージャーにしかできない「未来のための準備」に時間を使っていくことがもっとも重要なアクションなのです…そう考えたらプレイヤーばっかりやってられないですよね?
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