叱り方を間違えているマネージャー、褒め方を間違えているマネージャー。あなたは正しくできているか?
上司・先輩…どちらでも問題ありませんが、部下や後輩に指導をする機会があるという方、あなたは「叱り方」「褒め方」が正しくできているでしょうか?
特に叱り方については間違った叱り方をしてしまうと、上司/部下・先輩/後輩の関係を大きく傷つけてしまい、また感じ方によってはパワハラだとかいうことにもなってしまうかもしれません…
今回は叱り方・褒め方についてまとめていきます。
何を叱り、何を褒めるか?
人は誰でもそうですが、「自分という人間の価値を認めて欲しい」という『承認欲求』というものを持っています。この承認欲求を満たしてあげることでモチベーションがあがり、次の成果につながっていくということです。
そもそも褒めるということはこの承認欲求を満たすための行動です。
なので承認欲求を満たすことができるように褒めてあげないと効果はないのです。
反対に叱るという行為。
これは何かの不手際や間違いに対して「そうではない」ということを理解してもらうために伝えることです。
叱るときに注意が必要なのは「あくまで承認欲求を傷つけることなく、間違いだけを正す」ということです。相手を否定していくのではなく「行動」や「環境」を否定するということになります。
これをわかりやすくまとめてあるのがNLPで有名なロバート・ディルツによる「ニューロ・ロジカル・レベル」というものです。
こちらの図をみるとわかります。
意識のレベルには5段階あり、「環境」「行動」「能力」「信念・価値観」「自己認識」と分かれています。上位に行けば行くほどその人個人の人格の部分に近づいていきます。
ここでやってしまいがちなのが「お前はだからダメなんだよ!」という叱り方。
一番上位の「自己認識」を否定する、つまり全人格を否定するような指導になっているので承認欲求を大きく傷つけてしまうことになります。
前述のとおり、叱るという行為は「行動を正す」ことが目的ですので、準備不足が招いたのであれば「環境」を、行動に過ちがあったのであれば「行動」に関わる部分を的確に叱ってあげることが大切です。
「あの時にあの行動をしたことが結果としてよくなかった」
「こうならないためにはやはり事前の準備が大切だったのではないか」
これが正しい叱り方です。
対して褒めるときはどうでしょうか?「あなたは素晴らしい」と全人格を肯定してあげればそれで相手も嬉しくなるはずです。
ただ、「何が良かったから褒められているのか?」がわからないと「この人いつもほめてくれるけど何を見てくれているんだろう?」という不安感を抱かせてしまいます。
なので「あなたのその考え方がイイと思うよ!」などと状況に応じて具体的に褒めることも必要です。上のニューロ・ロジカル・レベルのピラミッド図に当てはめるとこのようになります。
褒めると叱るは矢印が逆
ニューロ・ロジカル・レベルのピラミッド図で言えば、褒める場合は「上から褒める」、そして叱る場合は「下から叱る」というのが常套手段です。
こうすることで「なぜ叱られたのか?」が明確になり、行動の改善につながりやすくなります。
このことを理解せずに頭ごなしに叱っている人、また抽象的に「ただ褒めている」という人はニューロ・ロジカル・レベルを意識した叱り方・褒め方を実践してみるとよいでしょう。