「要領がいい」「手際が良い」というのは能力ではなく、技術であるという真実
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※2018年9月9日 加筆・修正しました。
「要領がいい人」「手際が良い」って回りにいませんか?
何をやってもテキパキとこなす。いつも颯爽と行動する…こういった人を見ると「あの人は要領がいいからなんでも簡単にやれてしまうのだ。」と感じることがあると思います。
しかし、本当は要領のよさというものはその人が生まれもった能力ではなく、要領よくやるための技術をもっているということに過ぎないのです。
つまり、技術さえ知ってしまえば誰でも要領よく行動することができるのです。
技術を習得するには?
まずこの事実を受け止めてください。
「え~!でもやっぱり天賦の才っていうのはあるはず…明らかに自分とあの人を比べると手際のよさが違うから」と思うこともあると思います。
これはただ技術を身につけるまでの時間が違うだけです。
手際がよい人は早い段階でその技術を身につけて、何度も修練をしているから手際がよいだけであり、能力的に勝っているということではありません。
もし自分は要領が悪い。手際が悪いとお悩みの方も練習次第で要領のよさは手に入ります。
では、要領をよくするためにはどうすればいいか?
それがこのブログでも何度も書いている「タスク管理の手法」を学ぶことなのです。
概ね要領がよくない人はタスク、つまりやらなければならないことの整理ができていないことが問題なのです。
常にぐちゃぐちゃ…思い立ったことから手をつける。物事の優先順位なんて考えずに「簡単そうなもの」から手をつけたりする…
そうして締切前に大きなタスクを残してしまい、慌てて残業してそのタスクをやるのです。
でも、そういう状態ですから、もちろん質がよいものが生まれることも少ない…結果としてそれを手直しする手間が発生してさらなる残業を生んだりするのです。
タスク管理の一番のポイントは「これが今やるべきことなのか?」ということをしっかりと考えることに僕は意味があると思っています。
漫然と目の前のことだけをやってしまい、無駄が生まれたり、時間がかかってしまうという状況を打破するためにはしっかりと考える必要があるのです。
タスク管理を知らない人はやらなければならないことに対して「これは今やる必要があるのか?」という疑問をもつことはないでしょう。タスクには優先度と緊急度があります。ともすれば緊急度の高いものにばかり時間を割きがちですが、実際には重要度の高いことにこそ時間を割く必要があります。
例えばカップラーメンを食べるとしましょう。
カップラーメンを食べるためには「お湯を沸かす」必要があります。これは誰でもわかります。
タスク管理の概念がない人は全体を考えずに「お湯が必要だからお湯を沸かそう」と考えるはずです。
でもタスク管理の概念をもっていると「カップラーメンを食べる」というタスク全体を考えるのです。
- お湯を沸かす
- カップラーメンのビニールをはがす
- スープとかやくをいれる
- 箸を用意する
簡単に見積もってもこの4つのタスクがあります。この順番をしっかりと考えるのです。
つまり、「まず最初にお湯を沸かすというタスクを実行するのがよいのか?それとも別のタスクを実行したほうがよいのか?」と考えるのです。
お湯はすぐには沸かないのでお湯を沸かしている間に「ビニールを剥がす」「スープとかやくをいれる」「箸を用意する」はできる…じゃあ、やはり最初にやるタスクは「お湯を沸かす」でいいんだ!
こういう流れをしっかりと考えるのがタスク管理です。カップラーメンを目の前にしていると「ビニールを剥がす」という緊急度の高いタスクに目を惹かれがちですが、実際に重要度の高いタスクは「お湯を沸かす」なのです!
そして上で書いたとおりこのタスクを何度も繰り返すことで考える時間自体が短縮され、要領がよくなるのです。
何度もカップラーメンを作っていたら、いちいち考えなくても自然とそういう行動になるはずです…つまり要領がよいということは「その手順が身についている状態」とも言えるのです。
身につくまではしっかりと意識する必要がある!
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今回は例としてカップラーメンの話にしましたが、これは仕事においても同じことです。
初めてやることはなんでもまずはその手順を一つずつ確認しながらやるはずです。それが次第に意識せずとも手順どおりにできるようになっていく。
身につくまではしっかりと「意識して繰り返す」ということが重要なのです。
タスク管理の手法を最初に紹介すると「そんな面倒なことをやるほうが時間がかかるのではないか?」と怪訝な顔をする人もたくさんいます。でも、こういったことを丁寧に実施していくことであなたも「要領がいい人」に近づくことができるのです。
能力ならば個人差がありますが、技術ならば努力次第で習得も可能なはずです。
そのためにはまずは意識するということが大切なのです。